2024/11/10 17:31
なぜ手縫いで製作しているのか私の思う事を書きたいと思います。
菱目打ちという道具で縫うための穴を開けるところから始まります。
同じ間隔の菱目打ちの2本目打ちと5本目打ち(目打ちの数も色々あります)を使って穴を開けます。
下の画像は同じ道具で開けた物ですが、間隔が上と下とで違います。
このように好きな場所に穴を開ける事が出来ます。
これが出来るとどのような事に役に立つのかですが…
この画像の上の物は適当に開けた場合このように穴が開くかもしれません。
この革が頻繁に力がかかる部分だったらいかがでしょうか?
耐久性に不安があるかと思います。天然素材ですのでどの位持つのかは分かりませんが
下の穴を開ける位置を調整した物は、表の美しい縫い目を損なう事なく最大限に革の強度を保てるようにしています。
ですので穴の位置を調整できるのは手縫いのメリットとなります。
この画像は縫った時に革の中を糸がどのように通ってるのかをお見せするために作った物です。
糸を見やすくするように白と黒を使いました。手縫いは左で右がミシン縫いです。
手縫いは上糸と下糸が入れ替わりながら縫っています。ミシンは上糸と下糸を掛けながら縫うため上は上、下は下となっています。
手縫いは一針一針クロスしながら引き締めつつ縫っています。
ミシンは上と下糸を掛けながら締めつつ縫っています。
次の画像では糸を一部分切ってみた時のほつれ方の様子です。
ミシン縫いは糸同士で引き締めているので、一部分が切れた時にほつれていきます。
こちらは布でこのようになった経験はあるかと思います。
手縫いは上糸と下糸を引き締めながら縫っていますので、一部分が切れてもほつれない仕組みになっています。
手縫いは縫う前に蜜蝋を糸に塗り込みます。
下の画像のピンと横にしても倒れてないほうが蜜蝋を塗り込んだ糸です。
蠟引きした糸は引き締めながら縫う時に糸が緩まなくなり、使用時にも糸がきしんでも蜜蝋が保護してくれます。
手縫いでただ縫うから良いという事ではなく、様々な良くなる工夫をしてるのが良いと思います。
革は長く使える素材です。
私の作り方で革の良さである長く使える素材を損なうことなくするため、
いつまでもお使いしていただくため、一番良いと思う手縫いで製作しています。